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テクノロジーラボ誕生の背景とその役割

講談社テクノロジーラボとは

テクノロジーラボは、講談社のウェブメディア事業から生まれ、独立した部署にまで成長した組織です。
コンテンツ企業である講談社が、ウェブメディアやデジタル事業の開発・運用をみずから行うための内製開発部隊として、エンジニア・デザイナー・ディレクターからなる、通称「techチーム」の運用を行っています。

ウェブメディアを開発・運用するための知見を出版社内で保持、継承する

講談社に限らず、多くの出版社の組織構造は、コンテンツ内容を決める「長」である「編集長」をトップとし、各メディアブランドごとに独立性の高い「縦割り」の体制となっています。従来の出版事業では効果的な組織でしたが、結果として、雑誌系ウェブメディアの現場では、デジタル戦略の構築や開発方針の策定まで、「編集部」の単位で考えなければならず、講談社でも、各編集部がそれぞれの必死な努力により、外部の開発ベンダーへのアウトソーシングを行い、どうにかウェブ事業をはじめていました。

しかし、外部の協力企業に「頼り切る」傾向が強くなりすぎた結果、社内には知見がたまらず、また、あるメディアで得た「気づき」も他のメディアには横展開されないといった状況が続くこととなりました。

そうしたなか、日本社会でデジタル施策が「当たり前化」した2010年代後半にもなると、2000年代にウォーターフォール発想で初期開発を行った各サイト・サービスへの不満が高まり、メディア運用の現場の各所で、開発人材が不足している現実が浮き彫りとなってしまいました。

こうした状況を抜け出すべく、2016年頃から、ウェブメディア「現代ビジネス」の編集部門で、エンジニアを集めて、みずから開発・運用に取り組むことが試みられるようになり、講談社初の内製開発・運用部隊が、草の根で組織されはじめました。この部隊が年々発展を遂げ、独立した部署となったものが、テクノロジーラボです。

現在、私たちは、縦割り構造の各ウェブメディア編集部門・ウェブサービスの運営事業部に対して、横串として広く浸透し、多くの開発・運用の現場にコミットしています。

「社内の仲間」である開発チームと編集部の距離が近づくことで、編集者のアイディアをより発展的に実現できるだけでなく、編集部・事業部側のメンバーが技術的情報に触れやすい状態も実現され、我々のチームを通じて横展開される知見が、各サービスの現場で横断的に利用される流れが生み出されています。

インハウスに開発チームを持つことは、外部の制作会社等との協業においても、コミュニケーションの円滑化や、技術的な理解を深める助けとなっているほか、各種データやソースコードの管理方法などを統一し、均質な管理を行うことにも役立っていると考えます。

編集者の発想を、より豊かな形で届け続けるための挑戦

これまで、出版事業は、文章・イラスト・写真を編集してコンテンツとして仕上げ、「完成したパッケージを商品化する」ことを基本としてきました。

しかし今日、ユーザーが慣れ親しんでいるデジタルコンテンツの多くは、コンテンツ単体で存在するものではなく、メディアのような「サービスとして継続運用される存在」となっています。「公開して終わり」ではなく、その先に、サービスを安定的に運用し、継続的に改善・成長させていく。そのためにコンテンツ企業みずからが、そうした「成長させ続けることを引き受ける覚悟」を持つべき状況になっていると、我々は考えます。

テクノロジーラボは、編集部と開発チームの距離を縮め、新規の開発にチャレンジしつづけ、知見を蓄積することで、我々が持つコンテンツの可能性を広げつづけます。


KODANSHAtech

KODANSHAtechは、ウェブサービス開発・運用経験が豊富な人材を長期安定的に雇用契約することを目的とした戦略的グループ会社です。極めて自由度の高い就労条件を定め、デジタル領域で活躍するエンジニア・デザイナー・ディレクターが働きやすい雇用環境の整備に努めています。